桜前線の桜庭さん
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「こんにちは」
律子は桜並木の通学路でランニングをしている女性に挨拶をした。
「こんにちは」
笑顔で応えてくれた女性は、この辺りではあまり見ない美しさだった。
家に帰って話をすると、母が教えてくれた。
「きっと、桜前線の桜庭さんね。桜庭さんが走ったところから桜が満開になっていくのよ」
通学路の桜並木は確かに満開になっていた。
それから毎年、律子は会うたびに挨拶をし、やがて少しずつ話をするようになった。
「桜庭さん、こんにちは」
「こんにちは、律子ちゃん。だいぶ背が伸びたわね」
今年の桜庭さんは例年になく急いでいた。
「ごめんね、律子ちゃん。今年は前線の北上が速くて、うかうかしてられないの」
律子は勇気を出して尋ねた。
「私、高校で陸上部に入ったんです!途中まで一緒に走ってもいいですか?」
桜前線を追いかける律子のスニーカーのリズムに合わせて、沿道の桜がひらひらと舞い散っていった。
律子は桜並木の通学路でランニングをしている女性に挨拶をした。
「こんにちは」
笑顔で応えてくれた女性は、この辺りではあまり見ない美しさだった。
家に帰って話をすると、母が教えてくれた。
「きっと、桜前線の桜庭さんね。桜庭さんが走ったところから桜が満開になっていくのよ」
通学路の桜並木は確かに満開になっていた。
それから毎年、律子は会うたびに挨拶をし、やがて少しずつ話をするようになった。
「桜庭さん、こんにちは」
「こんにちは、律子ちゃん。だいぶ背が伸びたわね」
今年の桜庭さんは例年になく急いでいた。
「ごめんね、律子ちゃん。今年は前線の北上が速くて、うかうかしてられないの」
律子は勇気を出して尋ねた。
「私、高校で陸上部に入ったんです!途中まで一緒に走ってもいいですか?」
桜前線を追いかける律子のスニーカーのリズムに合わせて、沿道の桜がひらひらと舞い散っていった。
その他
公開:19/03/20 20:20
更新:19/03/20 20:41
更新:19/03/20 20:41
北海道出身です。
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