驢鳴犬吠な幕間
13
9
「では、こちらなどいかがでしょう」
そう言って店主が取り出したのは、何の変哲もないただのジャージだった。
男は訝し気な表情を浮かべる。ふらりと立ち寄った古めかしい店。棚には珍しい品々が並んでいる。
「う~ん。女性の誕生日プレゼントとしてはどうかな……」
すると、店主は霧吹きでジャージに水をシュッと吹きかけた。
「何を……あ!」
水をかけられた部分が透明になっていく。
「水に濡れるとスケスケになります。乾くと元に戻りますよ」
「いただこう」
意気揚々と店を後にする男を見送る店主。店内に静寂が戻る。
「まあ、たまにはこういうのもいいだろう」
そう言うと、店主――アベルは、くすりと笑った。
「あら、なんだかごきげんですね」
「ええ。これ昨日買った新しいジャージなんですよ。変な骨董屋で」
「そうですか、よくお似合いですよ。それじゃあ、せっかくなのでお茶でも淹れますね、ミカ先生」
そう言って店主が取り出したのは、何の変哲もないただのジャージだった。
男は訝し気な表情を浮かべる。ふらりと立ち寄った古めかしい店。棚には珍しい品々が並んでいる。
「う~ん。女性の誕生日プレゼントとしてはどうかな……」
すると、店主は霧吹きでジャージに水をシュッと吹きかけた。
「何を……あ!」
水をかけられた部分が透明になっていく。
「水に濡れるとスケスケになります。乾くと元に戻りますよ」
「いただこう」
意気揚々と店を後にする男を見送る店主。店内に静寂が戻る。
「まあ、たまにはこういうのもいいだろう」
そう言うと、店主――アベルは、くすりと笑った。
「あら、なんだかごきげんですね」
「ええ。これ昨日買った新しいジャージなんですよ。変な骨董屋で」
「そうですか、よくお似合いですよ。それじゃあ、せっかくなのでお茶でも淹れますね、ミカ先生」
その他
公開:19/03/20 19:30
更新:19/03/21 17:52
更新:19/03/21 17:52
ツムオ再び
川勢七輝さんの『貪婪骨董屋』
アベルと
まさかの共演
ログインするとコメントを投稿できます