悪魔のパチンコ

思い詰めた私は、ビルの屋上に行きフェンスの上に立っていた。

「どうせならパチンコやらない？」
振り返ると悪魔だった。
「パチンコ？ふざけないで！」
「願いが一つ叶うとしたら？」
「それ、ホント？」
「ああ、約束する」
昭和レトロなパチンコだった。
赤いチューリップが真ん中に一つだけある。
「君は８０歳の寿命だな。残り５０魂分の玉と交換できるぞ」
玉１個が１年の魂。試しに１０の魂を悪魔に売り、玉を手に入れた。
全て交換すると死ぬらしい。

魂を込めてパチンコを打つ。無数の釘に弾かれ玉は全てアウトホールに飲み込まれた。
「やめて死ぬか？」
「嫌よ！もう１０個ちょうだい！」

カラコロ……コトン「やったわ！」

「で、願いは何だ？」



私は、最高の彼氏を手に入れ同棲。
新生活が始まった。

「あの女、気に入らないわ。殺してちょうだい」
「おまえ悪魔みたいだな」
「アナタに言われたくないわ」