陽気なおじさん

晴れやかな日曜日。
久しぶりの休日で子供とお出かけ。家族が皆笑ってる。幸せってこんな感じだよな〜
「パパー、僕知ってるよ！遊園地はここからバスに乗るの！」
「まゆも知ってる〜」
「なんて！賢いんだ！おじさんもそこに行きたいよ！！」
ボリュームのスイッチが壊れたみたいにデカイ声をあげたおじさんが家族の周りを軽快なステップで踊り出す。
5歳のまゆが身の危険を感じて固まった。8歳の健人も目をそらす。
凄いおじさんだ！子供を一瞬で軽快なステップで警戒レベルマックスにさせるとはっ！
しかし、そのおじさんの陽気さは、その警戒心を春の暖かさで雪解けの水が一気に流れるように忘れさせる。
おじさんのステップと鼻歌は、聴く人の好きな歌に聴こえる。
陽気な春が呼んだ妖精なのだろう。おじさんは。
「いってらっしゃーーい！！」
おじさんのデカイ声に見送られる。
健人とまゆが手を振る。
春は人をウキウキさせるのだ。