僕らの未来（あした）

「2人、付き合ってるの？」


中学生の時から、何度も繰り返されてきた質問に、僕は少々うんざりしながら、「付き合ってない。友達だよ」と答えた。
美奈も、「小学校から一緒だし、親友みたいな感じだよね」と、笑顔で否定する。

自分も否定しておきながら、僕は彼女に否定されるたび、凹んでいた。

せっかく、一生懸命勉強して同じ高校に入れたんだから、思いきって告白しよう。
そう決心した筈なのに、いざとなると、躊躇してしまう。


いつものように、2人で下校していると、小学生の男の子と女の子が向こうから歩いて来た。
良く見ると、手を繋いでいる。

「仲良しだね」

美奈が2人に声をかける。

「うん。だって、私達両思いだもん」

女の子が弾んだ声で答えた。

男の子は照れくさそうに、女の子の手を引いて、走って行った。

「いいな～」
僕達は、同時に呟いた。