迷えるおじさん

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俺34歳。微妙なお年頃。
いつからだろう、高校球児が自分より年下に見えたのは。当たり前だが警察官も俺より下なんだよなぁ…

ん?道路の隅でバーコードのおじさんが倒れている。
「もしもし?大丈夫ですか?」
「君は私が見えるのかい?」
「えっ?霊ですかっ!」たじろぐ俺。
「いや、こう見えて妖精。こういう者です」名刺を俺に差し出す。名刺には[妖精係長 おじさん]と書いてあった。涼しげな髪型からして部長の風格漂うが、係長だった。
「私は迷えるおじさんを救う妖精です。私に会うとおじさんなんだなって受け入れる事ができます。ホイ」

俺は野球場のマウンドに立っていた。
周りは若い選手、満身創痍、今日で引退しよう。

ーー「どうでした?もうお兄さんじゃないですよ」
「はい、ズーンと歳を感じました」
「喫茶店のおしぼりで顔を拭くと悟りやすいですよ」
おじさんの妖精はそう言うとネクタイを頭に巻いて消えた。
その他
公開:19/03/19 23:37
更新:22/05/13 07:22
おじさん祭り

さささ ゆゆ( 東京 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

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