孤独がり屋

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大好きなアイドル歌の握手会の列に並びながら、この場から離れたい欲求が頭から消えず、係員に孤独エリアを案内してもらった。

そこにはアイマスクをした人が数人いた。係から受け取ったアイマスクをつけると視界がゼロになったが、これでは孤独は満たされない。

横にいる気配がする人に、私を無視してもらえるようお願いをした。人柄の良さそうな雰囲気のするその人は、快く私を無視した。別の方角から舌打ちも聞こえた。マナーが良い。

すっかり孤独を満喫してアイマスクを取ると、周りの人も握手会もいなかった。ここのサービスは質が高い。この感動をシェアしようと帰宅中にネットへ投稿した。

就寝前にネットの投稿を確認すると反応ゼロ。ここまで孤独を演出できるとは神サービスか。興奮気味にベッドで目をつぶり、こう問うた。神様、もしやあなたがこのサービスを?

神様からの返答はなかった。
神などいない。

この上ない孤独だ。
その他
公開:19/03/18 00:22

こんの( 横浜 )

劇団コピュラというユニットを催しています。

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