スマホが全ての時代

◎都会のアパートは狭すぎる。転勤したての僕の部屋には、ＤＶＤやＣＤ、マンガやゲーム、フィギュアやオモチャなどの、オタクグッズが溢れかえっていて、寝る場所を確保するにもやっとだ。
「よし、これを機に断捨離しよう」
◎僕は身の廻りのあらゆるモノを捨てた。すると、娯楽はスマホ一つあればなんとかなることに気づく。やがて、断捨離が快感になっていき、モノだけではなく、人間関係や仕事、住む場所まで捨ててしまった。
◎今、いつでも捨てられるダンボールの家に住み、自由で気ままな路上の物乞生活、心優しき人はスマホのＱＲコードから僕のアカウントに課金してくれる。やはり、どうあがいても、スマホだけは断捨離できそうにない。