打ち上げクッション

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僕の田舎では変わった風習がある。
年に一度、花火の代わりに縫い物を打ち上げる祭だ。
なんでも大昔みすぼらしい旅人の着物を直して上げた所、旅人は実は神様で、それから幸運が舞い込むようになり裁縫に関する物を祭るようになったとか。
いつしか古くなった縫い物を供養するため天に行けるようにと打ち上げを始めたのらしい。
今年は僕の家の番。
小さい頃から使っていた僕のボロボロのクッションを打ち上げる事にした。
広場に集まり、筒の中に丁重に入れる。
3.2.1.ぼーん。
うわっ、まずい。
僕はクッションが飛んで行く方向へ一緒に走り出した。
実はこの祭り、1つしきたりがある。
異性の手元に落ちるとプロボーズの意味になるのだ。
ボフッ!
きゃーと女子の黄色い歓声が湧く中、僕は顔面蒼白になった。
そこには全身埃まみれになってクッションを鷲掴み、僕をジロっと睨む幼なじみの喧嘩娘が座っていた。
ファンタジー
公開:19/03/19 12:00
更新:19/03/19 11:44

林 孝光( 東京 )

普段は四コマ漫画を描いたり、イラストを描いて遊んでいます。

ショートショートは中学生の時に筒井康隆先生に出会って衝撃を受けて、星新一先生、藤子F不二雄先生と手を伸ばして読み漁り自分なりに執筆をしていました。

よろしくお願いします❣️

ショートショートの漫画も執筆しています。

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