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僕は図書館にいる。
僕の後ろに立っているのは大きな男の人だった。
男の人は窓を背にしているので、逆光で顔の表情は少しもわからなかった。
「どれを選んでもいいんだよ」
と、その男の人はコントラバスのような低く優しい声で言った。
「君はどれでも好きな本の主人公になれるんだからね」
男の人はそう言い残すと足音も立てずに歩き、書架の向こうに消えてしまった。
本は天井まで届く木製の書架にぎっしりと並んでいる。
僕はその本の背表紙のタイトルを目読しながら図書館の中を歩き回った。
しばらく考えていたけれど、どうすればいいのかわからなくて、テーブルのそばにある椅子に腰かけた。
そのテーブルの上に一冊の本があった。
それを手に取って開いてみる。
何も印刷されていない本だった。
窓の外を見ると、どこまでも見知らぬ世界が広がっていた。
僕はその白紙の本を手に持って、図書館の玄関からではなく、窓を開けて外へ出た。
僕の後ろに立っているのは大きな男の人だった。
男の人は窓を背にしているので、逆光で顔の表情は少しもわからなかった。
「どれを選んでもいいんだよ」
と、その男の人はコントラバスのような低く優しい声で言った。
「君はどれでも好きな本の主人公になれるんだからね」
男の人はそう言い残すと足音も立てずに歩き、書架の向こうに消えてしまった。
本は天井まで届く木製の書架にぎっしりと並んでいる。
僕はその本の背表紙のタイトルを目読しながら図書館の中を歩き回った。
しばらく考えていたけれど、どうすればいいのかわからなくて、テーブルのそばにある椅子に腰かけた。
そのテーブルの上に一冊の本があった。
それを手に取って開いてみる。
何も印刷されていない本だった。
窓の外を見ると、どこまでも見知らぬ世界が広がっていた。
僕はその白紙の本を手に持って、図書館の玄関からではなく、窓を開けて外へ出た。
ファンタジー
公開:19/03/18 21:54
もともとは漫画を描いていました。
漫画のアイデアを文字で書いているうちにショートショートも書くようになったんですよね。
名前はもちろんペンネーム。
実際にはない名字を考えました。
読みは、男の子気分の時は『いえにら・まさみ』
女の子気分の時は『いえにら・まみ』に変わります(笑)
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