2
6

「私の彼、付き合ってもう5年なんだけど全然働かないの」
「それってヒモじゃん!アンタが養ってあげてるの?」
「うん。彼の面倒見てあげてる。彼ったら炊事洗濯掃除からっきしなの」
「うっわ、それ最悪じゃん」
「でもね彼、お金持ちなの」
「成程。アンタ昔っから自分の店持つのが夢だったもんね。でも、大丈夫なの?彼お金出してくれるの?」
「大丈夫。彼の財布のヒモを握っているのも私だから」
「さすが抜け目ないわね…ま、アンタの夢が早く叶うことを願ってあげるわ」
「ありがとう」

その日、私が家に帰ると彼が首を吊って死んでいた。
遺書には生きる希望を失ったと書かれてあり、警察も自殺と断定した。
私は彼を失った悲しみに暮れた。





…わけがない。だって彼のヒモを握っていたのは私よ。全てこうなるよう仕組んだに決まってる。
5年も付き合っていればその遺産は私の手にも入る。これでやっと私は夢を叶えられる!
公開:19/03/18 18:33

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容