遊女

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今ではもう、自分がいつどこで生まれたのかさえわからなくなっていた。

ただ、あのまま生きていたなら、見ることも叶わなかったであろう豪華な着物に袖を通し、結われた髪に美しい簪や櫛を挿して生きる自分を、周りが言うように可哀相だとは思わない。

此処に来たとき、誰より咲き誇ると決めたのだから。
その他
公開:19/03/18 09:25

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

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