悩みを拾った男
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部屋の片隅に僕を悩ます物が転がっている。拾ってしまったのが過ちだった。拾う前は持って帰る気などさらさらなかったのだが、手に取ってしまったが最後、僕は咄嗟にそれをポケットに入れた。
おしゃれな柄のリップクリームが道端に落ちていたのだ。こんなカラフルな柄のものを使っている男性など見たことがない。つまりこれは女性が落としたもの、ひいては女性が使ったもののはずだ。
僕の悩みは、このリップを使うか否か。女性との間接キス、それもかなり濃厚なキスをするチャンスが僕の目の前に転がっている。それなのに僕はそのチャンスを上手く掴めないでいる。片手には道徳に反すること間違いなしという罪悪感、片手には本当に女性が使用したものなのかという不安感を抱えているために手一杯なのだ。
だが僕は逃げない。
このリップクリームを塗れば、気の弱い自分から卒業出来ると信じた僕はリップを持ち、ついにキャップに手をかけた。
おしゃれな柄のリップクリームが道端に落ちていたのだ。こんなカラフルな柄のものを使っている男性など見たことがない。つまりこれは女性が落としたもの、ひいては女性が使ったもののはずだ。
僕の悩みは、このリップを使うか否か。女性との間接キス、それもかなり濃厚なキスをするチャンスが僕の目の前に転がっている。それなのに僕はそのチャンスを上手く掴めないでいる。片手には道徳に反すること間違いなしという罪悪感、片手には本当に女性が使用したものなのかという不安感を抱えているために手一杯なのだ。
だが僕は逃げない。
このリップクリームを塗れば、気の弱い自分から卒業出来ると信じた僕はリップを持ち、ついにキャップに手をかけた。
その他
公開:19/03/16 22:53
行き場を失い、メモ帳に彷徨うネタ達をここで消化&昇華させてます。
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