予告

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殺人予告が届いた。具体的な時間と場所が記されていたが、そんな場所に縁は無い。電車を二本乗り継げば辿り着く距離だけれど、平日の昼間は仕事だからちょっと。
ついに俺にもこんなモンが届くようになったと足立に自慢してやろうと思ったが、なにかの間違いだろう。
それでも僅かな可能性を信じて、乗り換え案内で会社からの経路を検索してみる。昼休みに出発すれば会議を一つブッチするくらいで帰ってこられるか。いや、待てよ。帰ってくる時間の心配はいらないか。
予告犯が現れなかったら。そんな心配もあったが、俺は昼休みにオフィスを後にした。電車を乗り継いで目的地に到着すれば、殺風景な通りの割には妙に人が多い。ポケモンでもいるのか?そして、視線を感じて目を向ければ、口元を強張らせた足立の姿。俺は顔面を紅潮させた。自分だけの予告であれと願ったのは俺だけではないだろう。この際、絨毯爆撃で一掃されても構わない。俺は天を仰いだ。
その他
公開:19/03/16 21:51
更新:19/03/16 21:53

puzzzle( 神奈川19区 )

作文とロックンロールが好きです。
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