空き巣と習慣  カレンダー刑事 vol.4

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「するとそいつが、骨董品専門の空き巣か」
「ええ。この数か月の、市内や市外での事件の犯人です」
部長は、カレンダー刑事の報告に頷く。
「ふむ。逮捕の場所は、老夫婦の家?」
「ええ。前から相談を受けてまして。留守時に不安だと」

刑事はニヤリとした。
「その老夫妻は、庭いじりが趣味なんです」
「うん」
「夫妻は毎週月曜に、庭に園芸用の薬を撒く。そこで1回それを休ませ、数日間、夜間に庭の灯りをつけ放しにした」
「ほほう?」
「夫妻には息子の家に泊まってもらい、道の角に捜査員を数日、車で張り込ませました」

部長は頷いた。
「それで忍び込んで。御用か!」
「つまり、留守を演出した訳です」
「上手い!」
「空き巣は、人の行動のクセを狙いますから。誰でもクセがありますからね」

彼は手帳を取り出した。
「私も飲む日は奇数日でして。手帳に書いていて..」
また、部長は彼の長い話に付き合うことになった。
ミステリー・推理
公開:19/03/16 19:49
更新:19/03/17 12:35
刑事ドラマ カレンダー刑事

tamaonion( 千葉 )

雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。

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