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ボンゴレを食べ終えて外に出ると、言葉が全く通じなかった。ずっと住んでいる町のはずなのに。
「デジャブじゃない?」
女性アイドルが、泣きじゃくる僕の背後でタバコの煙をプーと吹いた。
「僕は部屋に戻りたい」
「君の部屋なんて知らないわよ」
「なら、君の部屋でもいい」
アイドルはため息をついた。
「マネージャ。次は?」
「もうリムジンが着きます」
「ふん… 君、あのビルの前の男にね、ゴニョゴニョ…」
僕はよい匂いのアイドルに礼を言って、大男にケツを蹴られながらドアホンに向かって叫んだ。
「コスゲ人材派遣から参りましたベビーシッターです」
扉を開けたのは、金髪の女の子(3)だった。
「入れ。このビルにあるものは何でも使っていい。但し、3階の階段下にある秘密の小箱だけは、見てもいけないし、あるということを知っているそぶりすらしてはいけない。それが掟だ」
「御意」
こうして私は就職した。
「デジャブじゃない?」
女性アイドルが、泣きじゃくる僕の背後でタバコの煙をプーと吹いた。
「僕は部屋に戻りたい」
「君の部屋なんて知らないわよ」
「なら、君の部屋でもいい」
アイドルはため息をついた。
「マネージャ。次は?」
「もうリムジンが着きます」
「ふん… 君、あのビルの前の男にね、ゴニョゴニョ…」
僕はよい匂いのアイドルに礼を言って、大男にケツを蹴られながらドアホンに向かって叫んだ。
「コスゲ人材派遣から参りましたベビーシッターです」
扉を開けたのは、金髪の女の子(3)だった。
「入れ。このビルにあるものは何でも使っていい。但し、3階の階段下にある秘密の小箱だけは、見てもいけないし、あるということを知っているそぶりすらしてはいけない。それが掟だ」
「御意」
こうして私は就職した。
その他
公開:19/03/16 12:57
新生活
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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