眼窩の空
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チチッ……
会議室で小鳥の囀りが聞こえた。
「先輩。それは鎖骨です」
床に転がる頭蓋骨が、私の持つ人骨に向けてそう言った。
私は今年度最後の企画コンペで、見事に当たって砕けた後輩の骨を拾っていた。
「惜しかったな」
「先輩。言わなくちゃいけないことが」
「何……あ、これは頸椎か」
「今月で会社を辞めます」
首を組み立てていた手を止める。
「どうして」
「実は……夢だったんです。医者になることが。来月から5年間、勉強するんです」
頭蓋骨を持ち上げる。
「あ」
後輩の眼窩に映る澄みきった青空に、私は目を奪われた。
360度、自由な空。
まるでジェットコースターに乗ったときのような、腰がふわっと上がる感覚に足がすくんだ。
ヒュッ……!
頬をかすめて眼窩に飛び込む小鳥。
私は気を取り直し、頭蓋骨を首に嵌めた。はずれることが無いよう普段より丁寧に、力をこめて……
「先輩。頭、逆です」
会議室で小鳥の囀りが聞こえた。
「先輩。それは鎖骨です」
床に転がる頭蓋骨が、私の持つ人骨に向けてそう言った。
私は今年度最後の企画コンペで、見事に当たって砕けた後輩の骨を拾っていた。
「惜しかったな」
「先輩。言わなくちゃいけないことが」
「何……あ、これは頸椎か」
「今月で会社を辞めます」
首を組み立てていた手を止める。
「どうして」
「実は……夢だったんです。医者になることが。来月から5年間、勉強するんです」
頭蓋骨を持ち上げる。
「あ」
後輩の眼窩に映る澄みきった青空に、私は目を奪われた。
360度、自由な空。
まるでジェットコースターに乗ったときのような、腰がふわっと上がる感覚に足がすくんだ。
ヒュッ……!
頬をかすめて眼窩に飛び込む小鳥。
私は気を取り直し、頭蓋骨を首に嵌めた。はずれることが無いよう普段より丁寧に、力をこめて……
「先輩。頭、逆です」
青春
公開:19/03/16 10:55
更新:19/03/17 06:23
更新:19/03/17 06:23
新生活
マイペースに書いてきます。
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100 サクラ
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