ざくろ
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何杯目かわからないアルコールを飲み干す。
黒いドレスに大胆に開いたスリッドから覗く白い足、見なくても視線が集まるのがわかる。
カクテルのためにカウンターに並べられた果実を果汁が手に付くことも厭わず真っ二つに引き裂いてしまいたい。
何の種類がいいだろう。
顎を少し上げ、ゆっくりと視線を流す。
1番端に追いやられたざくろ。
引き裂くとグロテスクなほど美しい真っ赤な粒が溢れる。
赤血球が全身に酸素を運ぶスピードよりも早く全身に快感が回る。
一粒口に含もうとしたところで、右肩に手をかけられた。
振り向くと、背が高く細身の男性。
品の良さは感じられるがどこか実態がない。アルコールのせいだろうか。まあ、どうでもいいか。
真っ二つに引き裂いたざくろの半分を少し揺らす。
「試してみる?」
さっきの一粒を口に含む。
この味知ってる。
しわしわの手。
何かを思い出しそう。
まあ、どうでもいいか。
黒いドレスに大胆に開いたスリッドから覗く白い足、見なくても視線が集まるのがわかる。
カクテルのためにカウンターに並べられた果実を果汁が手に付くことも厭わず真っ二つに引き裂いてしまいたい。
何の種類がいいだろう。
顎を少し上げ、ゆっくりと視線を流す。
1番端に追いやられたざくろ。
引き裂くとグロテスクなほど美しい真っ赤な粒が溢れる。
赤血球が全身に酸素を運ぶスピードよりも早く全身に快感が回る。
一粒口に含もうとしたところで、右肩に手をかけられた。
振り向くと、背が高く細身の男性。
品の良さは感じられるがどこか実態がない。アルコールのせいだろうか。まあ、どうでもいいか。
真っ二つに引き裂いたざくろの半分を少し揺らす。
「試してみる?」
さっきの一粒を口に含む。
この味知ってる。
しわしわの手。
何かを思い出しそう。
まあ、どうでもいいか。
その他
公開:19/03/15 15:31
更新:19/03/15 16:00
更新:19/03/15 16:00
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