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その日の月は真紅に染まっていた
何か嫌な事が起こる予感がする。
その証拠に小犬は庭を駆けまわり、ワルツを踊っていた
他にも図々しくも炬燵で丸くなり、スヤスヤと眠っていた猫の尻尾を踏んづけてしまった
空の雲は鍵盤の様に整列し、風が吹くたびにその鍵盤は曲を奏でる。頭の中に聞こえてくる曲は勿論、月光である
言い忘れていたが、私は耳が聞こえない。けれども音を色覚として見ることが出来るのだ
皆にそれを言っても信じてくれなかった。
けれども空には間違いなく不可思議な七色の波紋が刻まれている。最初は×、次は◎の形になった。そして最後には39と刺繍されたカーテンの様な姿になった。
きっと月の感謝の言葉だろう。
それとも、カーテンコールなのだろうか。
僕は空に向かってブラボーと何度も叫び、スタンディングオベーションを繰り返した。
次の瞬間、いきなり地面が割れ、私は闇に飲み込まれた。これは、「運命」なのか
公開:19/03/15 12:18
更新:19/03/15 22:42

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