白い君に

7
11

私は白い皮を被った黒い人間で、家族にも親にも友達にもわからないように隠しているのだけど、時々黒い人間が出てきて暴れ出す。
それは大抵、自分と同じように白い皮を被った黒い人間と出会った時で、お互いに黒さがわかるのだ。皮を透けて見るように。
仲間といる時の私は自由で解放的で、最低で醜悪で楽しいばかり。ああ、でも、そろそろこの体もくたびれてきた。さよならだ。
全ての臓器が動きを止めて、やっとすべてが終わると思った時、黒い私が骸を脱ぎ捨てた。私は薄っぺらい白い皮を見下ろす。
次はうんと白い皮にしよう。シミひとつないくらいがいい。内側からゆっくりと黒く染めたい。

春、私は曇りなき君を見つけた。新しい季節を思い切り吸い込む君の中に埃に紛れて入り込む。思いっきり咳き込むから、君の心にギュウとしがみついた。ピカピカの心はなんて汚しがいがあるんだろう。記念に白い壁を薄く引っ掻いた。さあ、楽しい新生活だ。
その他
公開:19/03/13 23:22
新生活

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容