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リクは私が幼い頃から一緒にいる我が家の愛犬。家族。それ以上の存在。
そう思ってしまうのは、眠る前に何度も母から聞いたお話のせいだ。
私はキラ星の王様に呼ばれて、光の雫を夜明け山の祭壇に届けるよう頼まれる。その旅に同行してくれたのが、人の言葉を喋るリクだった。迷路の森や氷のトンネル、合わせ鏡の谷、ジャンケン親父やなぞなぞお化け。私達は沢山の冒険をして、夜明け山に辿り着いた。光の雫を祭壇に捧げるとキラ星は光に包まれる。私は星を救った英雄として王様にメダルを貰う。その後、地球に帰る私に、リクは一緒に行きたいと言う。王様は人の言葉を喋らない事を条件にリクの望みを叶える。そうしてリクは私の家で愛犬として新たな生活を送っているのだと。
もちろんそれは母の作り話なんだけど。
「本当だったらいいなぁ…」
そう言ってリクの背中を撫でると、リクは気持ち良さそうに喉を鳴らした。
「ホントだよ。忘れちゃったの?」
そう思ってしまうのは、眠る前に何度も母から聞いたお話のせいだ。
私はキラ星の王様に呼ばれて、光の雫を夜明け山の祭壇に届けるよう頼まれる。その旅に同行してくれたのが、人の言葉を喋るリクだった。迷路の森や氷のトンネル、合わせ鏡の谷、ジャンケン親父やなぞなぞお化け。私達は沢山の冒険をして、夜明け山に辿り着いた。光の雫を祭壇に捧げるとキラ星は光に包まれる。私は星を救った英雄として王様にメダルを貰う。その後、地球に帰る私に、リクは一緒に行きたいと言う。王様は人の言葉を喋らない事を条件にリクの望みを叶える。そうしてリクは私の家で愛犬として新たな生活を送っているのだと。
もちろんそれは母の作り話なんだけど。
「本当だったらいいなぁ…」
そう言ってリクの背中を撫でると、リクは気持ち良さそうに喉を鳴らした。
「ホントだよ。忘れちゃったの?」
ファンタジー
公開:19/03/13 22:48
更新:19/03/20 17:40
更新:19/03/20 17:40
新生活
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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