ゾーン

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斉藤は殺された。誰もいない密室で。証言も証拠もなく、警察も全くのお手上げ状態だ。

当然この事件も彼が呼ばれた。
今まで彼が解決できなかった事件などない。
彼は事件現場で斉藤の死体を確認して頷いた。

「全て分かりました。犯人はこの人です」

彼は右手で宙を指さし、叫んだ。

「これを書いている、そこの作家」

俺?

「お前が【斉藤は殺された】と書いた。お前が犯人だ」

さすが彼だ。
しかし俺を捕えようなんて思い上がりすぎだ。
彼よ。

突然斉藤の死体は立ち上がった。
刺さったナイフを抜き取ると、一瞬にして自分の胸の傷を治した。

ほら、俺は無実だ。

今、俺はゾーン入ってるんだよ。
さて次の作品でも書く…

「逃げるなよ。消せない証拠が残ってるんだ。この話の最初にな」

なぜだ。俺の右手が彼の右手に変わっていく。

俺が殺しました。

しまった。
これがキャラクターの一人歩きか。
ミステリー・推理
公開:19/03/27 12:00
更新:19/03/27 07:04

たらはかに( 日本 )

「平安時代初期には【たらはか】という言葉が存在していました。【自分らしく生きる】という意味だったそうです。私は自分らしさを見つけるべく「たらはかに」という名前に……」突然、真紅のハサミが私の首を落とした。「ナマエカブッテル」犯人はゆっくりと横歩きで逃げていった。

https://twitter.com/tarahakani
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