ワビサビ戦士シーズン

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「雪よ、もっと降れ~」
「そこまでだ、雪女!」
「だ、誰!?」
「ワビサビ戦士シーズン!季節外れの雪は私が許さない。くらえ、シュンカシュート!」
「きゃあああ!」
「雪女、おとなしく春を受け入れろ」
「い、嫌よ。私は雪を降らせて、あの人に喜んでもらうのよ」
「どういうことだ」
「冬が終われば春一番が吹くわ。大量の花粉を連れて。あの人は毎年ひどい花粉症に悩まされていたのよ。あなたはクシャミや鼻水が止まらなくなっても平気なの?」
「確かに花粉症は厄介だ。だが、春が来ないと桜が咲かない。日本人はみんなお花見がしたいんだ」
「お花見…。みんな桜を待っているのね。花粉症の人も、そうじゃない人も、そして宴会好きのあの人も。私はなんてバカな事を…。ごめんなさい。ああ、一度でいいから、あの人と一緒に…お花見したかったな…」
「消えてしまったか。お、早速、春一番が吹いてきた。春の到来だ、ハ、ハックション!」
ファンタジー
公開:19/03/15 00:00
更新:19/03/13 15:29
春の雪✕特撮物

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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