8
9

大学の近くのシェアハウスに入居しようと思ったのは、過保護な両親から離れたかったのが主な理由だ。同じ大学に通う年齢も性別も違う誰かと一緒に暮らすというのは、不安もあったが新生活への期待の方が大きかった。隣の部屋にはどんな人が住んでるんだろう。これから一緒に暮らすんだから挨拶に行くべきだよな。部屋をノックすると奥から「はーい」と声が聞こえた。
ちょっと待て、この声は…。
カチャリ
「あら、喜雄」
「あら、喜雄じゃねーよ!なんで母さんが隣にいるんだよ!」
「喜雄が心配で、一緒に引っ越しちゃった」
「バカか。って言うか、ここ大学生専用だろ!」
「喜雄が心配で、一緒の大学合格しちゃった」
「頭いいじゃねーか。父さんが可哀想だろ!」
なんとかしてもらおうと父の携帯に電話した。すると、もう一つ隣の部屋からタイミングよく着信メロディが聞こえてきた。
「これからも家族一緒よ」
「父さんも合格したのかよ!」
青春
公開:19/03/12 17:31
更新:19/03/12 20:40

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ショートショートって難しい。
最初の頃は400字は短すぎるなんて思ってましたが、色々書くうちに400字に無限の可能性を感じるようになりました。

読んだ人の心が少しでも動いたらいいな。何かを感じてくれたらいいなと思って書いてます。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容