いつまでも

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これは僕と、その友達の話。

僕と彼は保育園からの幼馴染だ。
彼はイケメンでスポーツ万能な上、面白かった。
そんな彼の元には、男女問わず多くの人が集まってきた。

彼は、僕にないものを全て持っていた。
僕はいつしか、彼に憧れていた。

必死に努力した。
彼のようになりたかった。
だが、いつまで経っても彼のようにはなれなかった。

そんな彼も、挫折した。
彼は夢を諦め、一般企業に就職した。

そこから彼は変わってしまった。
かつてのカリスマ性は影を潜め、社会の歯車の一部になってしまった。
社会にすり減らされ、どんどんやつれていく彼を見ているのは辛かった。

かつて追いかけていた大きな背中は、いつしか隣で小さくなっていた。

だが、あの頃と同じで、僕にとって憧れであることは変わらない。

僕はその小さくなった背中を、横から強く叩いた。
青春
公開:19/03/13 13:57

坂尾 のぼる( 愛知 )

毎日1本、短編を書くのを目標に再度始めました。
暇なときにでもご一読ください。

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