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 「もうすぐ春ね、私いつに消えてしまうか分からないからこれだけは言わせて」
 「やめてくれ!また冬になれば君は現れる!だから僕はそれまで待っているよ!」
 「一度体が溶けると人格は変わり、今の私ではなくなる。それが雪女の宿命よ。悲しいけど仕方ないわ」
 「ならば消える瞬間まで君の横にいさせてくれ。心まで凍りづけにされたんだ、溶けるまでは動けないよ」
 「じゃあ、キスして」
暖かくそして深く、心までしっかりと絡め抱きしめた。雫の温度が外気と同じになった頃、そこには雪しか残っていなかった。花はまだ蕾のままだけど春は近づいた気がした。
来年会える時まで、ずっと、待ってる。綺麗になった、あなたを。
ファンタジー
公開:19/03/12 21:29
更新:19/03/14 22:34
春の雪

タデラッチョ♪

月の音色リスナーです。是非宜しくお願い致します!!

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