徳川さーん

「隆史君、新生活慣れた？」

「絵里先輩、聞いて下さい！東京に来て変な外人と出会っちゃって、『名前ナンデスカ』ってしつこく聞いてくるんですよ」

「なんかの勧誘じゃない？」

「そうなんです。で、あまりにもしつこいんで『徳川家康です』って答えたらそれを真に受けちゃって。この前電車に乗ってたら、『徳川さーん、徳川家康さーん』って近づいてくるんですよ。徳川家康がスーツ着て通勤電車に乗るわけないじゃないですか。もう恥ずかしいのなんの。で先日も秋葉原歩いてたら『徳川さーん』て甲冑持って走ってくるんですよ！いや甲冑って、完全に家康知ってるだろ、みたいな」

徳川さーん

「隆史君？向こうに凄い群集！沢山の旗も、なんか書いてる」

「旗？　えーっと、　風　林　火　山　…」

ブォ　オ　オーーーン　

ヒヒーン　ドドドドドド　ワーーーーーー
ワーーーーーーーーーーー　ドドドドドドドド

徳川さーーん！