人を抜くクスリ

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「そいつの事を思いながら毛を抜くと、いなくなる薬」
あの骨董屋が言っていた事は本当だ。妹がいなくなってる。次の日には友人が3人消えていた。次の週は10人。その次の週は100人。一年もするとかなりの数が消滅した。
 その後も左手、左足、右足、頭髪…と最後には恥ずかしい所まで体中の毛が消えた。そしてこの世界には誰もいなくなった。ツルツルの俺は残されていた宇宙船で近くの青い星に向かった。彼らは俺をグレイと呼び、問答無用で攻撃してきた。

 すごすごと星に戻った俺は、一人部屋に閉じこもった。もう俺はダメかもしれない。

 ふと見ると、右乳首の横に毛が一本生えている。

 希望。

 これは希望だ。この星に一人まだ残っているかもしれない。

この毛は、この毛だけは、絶対に抜かずに生きていかなくては。

まだ見ぬアナタの事を思いながら、丁寧にクシで毛を整え…

 あっ、抜けた。
SF
公開:19/03/20 19:00
更新:19/03/20 21:11

たらはかに( 日本 )

9月は坊ちゃん賞を書くので更新止まります!すみません!!

「平安時代初期には【たらはか】という言葉が存在していました。【自分らしく生きる】という意味だったそうです。私は自分らしさを見つけるべく「たらはかに」という名前に……」突然、真紅のハサミが私の首を落とした。「ナマエカブッテル」犯人はゆっくりと横歩きで逃げていった。

https://twitter.com/tarahakani
猫ショートショート入選 猫いちご練乳味

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