牛肉の秘密

ここは会員制の牛肉専門店。
この店の肉の味を知ってしまえばA5ランクの松坂牛でさえ安物の肉と変わらない。
俺はこの肉がどこから来ているのか知りたくて店長に頼み込んだ。
すると店長は特別にと俺を牧場に連れて行ってくれた。
驚いた。そこにいたのは牛は牛でもミノタウロスだ。
「いいかい。ミノタウロスと一口に言ってもその美味さにはばらつきがあり、種類も多い。ミノが美味いミノタウロス。あそこで日焼けしているのはカルビタウロスとロースタウロス。大喜利をしているのはタンタウロス。上手いことを言ったようでザブトンタウロスが座布団を運んでいる」
感心している俺は店長の静止も聞かずに近くのミノタウロスに近寄った。
メガネをかけたそいつは俺を見た途端、目を光らせ襲い掛かってきた。
俺は腕を掴まれた。ダメだ！逃げられない！食われる！
そう思った瞬間、ある男が俺を助けてくれた。
「ジモンさん！」
あのお笑い芸人だ。