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「穴があるぜ。テメエの墓穴、掘る手間が省けてよかったじゃねえか。アッ、何しやがるシャベルで突くな、グエ。畜生、テメエも道連れだ」グサ。ドサリ。ドサリ。

「本当にこんな穴の中に宝があるのかよ」「ないさ」「なんだと騙したな。オイ、押すなヤメロ、アッー」ドサリ。「これでもうあいつに付きまとわれることもなくなった」

「三十七人目と… だ、誰だ?!」「やっと突き止めたぞ、連続殺人鬼め」「ふん。一人で何ができる。返り討ちにしてやる」ドタドタ。ギャー、ワー。ドサリ。ドサリ。

「あ、死んじゃった。ママ、どうしよう」「いいわ、これは夢よ。ボクちゃんはいい子でおねんねね」「うん」「ハァハァ。この穴なら見つからないわね」ドサリ「あの子はずっと私が守る…」

天変地異。大陸移動。地殻変動。

「―ビル建設現場の地下から大量の人骨が発見された件について、有識者らは、ここが石器時代の墓地であったと断定しました」
その他
公開:19/03/10 12:33
更新:19/03/10 13:58

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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