我が家に死神がやってきた

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その日、仕事から帰って来ると部屋に死神がいた。
「お帰りなさい」
死神は襤褸を纏い、骸骨の面を被っていた。その手には鎌ではなくスプーン。
「冷蔵庫のプリン、美味しそうだったので食べちゃいました」
死神は俺が楽しみにしていたプリンを綺麗に平らげていた。
「今すぐ出てけ!」
勿論怒鳴った。相手が死神だから何だ?食べ物の恨みは神をも殺す。
それに死神は炬燵に入ってテレビ見てやがる。無性に腹が立つ。
「まあまあそう言わず。別に貴方を殺しに来たわけじゃないんですから。それに私、意外と尽くす女ですよ?」
「いいから出てけ!」
尽くす女だろうが何だろうが関係ない。
「ケチー!」
死神は口を尖らせ炬燵に潜り込んだ。俺はちゃぶ台返しのように炬燵を引っぺがした。
その際、死神の仮面が取れた。中から現れたのは俺好みの女だ。
「…今日からここに住め。そして俺の最期を看取ってくれ」
「やったー!」
そして今に至る。
公開:19/03/11 18:58

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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