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セミの大合唱が響き渡る中、ユウタは坂道に自転車を走らせていた。遠くの海を横目に、颯爽と坂を下る自転車は、ユウタの髪と白いシャツを膨らませている。
「おっさきぃー!」
ユウタは、歩いて登校中のミナミの背中に向かって叫んだ。
ミナミは、背中から通り抜けていった声の先に目をやる。自転車に乗って坂を滑り降りてゆくユウタは、ミナミの方を振り向き、ふざけた笑顔を見せている。
「前を見ないと転ぶわよー!」
ミナミはユウタに半ばうんざりした様子で、叫び返した。
「大丈夫だって! お前は急がねーと遅刻するぞ!」
ユウタはそう言うと前を向いて、坂道を滑り降りて行った。
ミナミは、いつにもまして元気なユウタの姿を見送ると、思わず「ふふっ」と笑みをこぼした。ユウタがあんなに元気なのは、今日が夏休み前の最後の登校日だからだ。
「ホント、単純なヤツ」
そう呟いたミナミの足取りは、少しだけ弾んでいた。
「おっさきぃー!」
ユウタは、歩いて登校中のミナミの背中に向かって叫んだ。
ミナミは、背中から通り抜けていった声の先に目をやる。自転車に乗って坂を滑り降りてゆくユウタは、ミナミの方を振り向き、ふざけた笑顔を見せている。
「前を見ないと転ぶわよー!」
ミナミはユウタに半ばうんざりした様子で、叫び返した。
「大丈夫だって! お前は急がねーと遅刻するぞ!」
ユウタはそう言うと前を向いて、坂道を滑り降りて行った。
ミナミは、いつにもまして元気なユウタの姿を見送ると、思わず「ふふっ」と笑みをこぼした。ユウタがあんなに元気なのは、今日が夏休み前の最後の登校日だからだ。
「ホント、単純なヤツ」
そう呟いたミナミの足取りは、少しだけ弾んでいた。
青春
公開:19/03/11 17:29
更新:19/03/11 22:49
更新:19/03/11 22:49
純文学系の作品を読むのが好きなので書く方も純文学よりのものが多くなります。
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