ダンボリス

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何もない部屋の中に無秩序に置かれた46個のダンボール箱を見て僕は後悔していた。箱に何か書いておけばよかった。ダンボールは全て同じ色、同じ形。これじゃ、どの箱に何が入ってるかサッパリわからない。
僕の新生活のスタートは前途多難だ。
とりあえず、箱を整頓してスペースを確保しなきゃ。箱を開けるのはそれからだ。
僕は箱を壁際に丁寧に並べていくことにした。部屋の角に箱を置いて順番に横に並べていくと、ちょうど10個目の箱を置こうとした時に、ピッタリと部屋の横幅に収まる事に気がついた。
うん。これは気分がいい。
僕は箱を隙間に押し込んだ。

ピカッ…ドスン!

一列に並んだ箱は、一瞬光り輝いた後に跡形もなく消えてしまった。

やった!
スペースが出来た!

次に僕は9個づつ箱を並べて、それを4段積み上げた。
これで部屋が片付くぞ。
僕は壁際の箱一個分の細いスペースに体を滑り込ませた。

ピカッ…ドスン!
ファンタジー
公開:19/03/11 09:40
更新:19/03/20 17:37

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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