ガングロのビーカー

理科室の掃除当番で、棚を拭いているとビーカーの中に1つ違和感のある奴があった。
持ち上げてみると色が黒いビーカーだった。
実験に使って焦げたのかな、と思った。
でもよく見ると模様のような線が入っていたり、キラキラ光っているシールがついている。
つけまつげのような物も生えていて、物珍しく眺めていると突然ギョロっとした目が現れウインクをしてきた。
次の瞬間、準備室の中が真っ暗になり大音量の音楽が流れ出した。
かと思うとパッとスポットライトが付き、ビーカーやフラスコ達が一斉に踊りを始めた。
音楽やビーカー達のカチャカチャする音が混ざり思わず耳を塞いだ。
しばらくすると僕の名前を呼ぶ声がしてきた。
はっと気がつくと同じ掃除当番が目の前にいた。
何やら物音がしたので駆けつけたらしい。
足元を見るとあの黒いビーカーが粉々に割れていた。