砂つぶ

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SNSで注目を浴びたくて自殺した彼女は、今日は一番注目されるんだと笑って死んだけど、一番注目されたのは生まれた時なのを、知らないままに地獄で暮らす事になった。

地獄での暮らしは彼女にとっては良いものではなく、何しろ石ころとしての地獄暮らしなのだから、川を流れて砂つぶになるまで誰にも構ってもらえずに、記憶をすり潰しながら暮らすのだ、そんな砂つぶが集めて出来た砂時計を売っていたのが近所の100円均一。誰かが買って手の上で転がしながら3分後には何をしようか考える。良い事ないよ、と砂つぶが囁くけれど、そんな事ないさと夜が明けるまで、3分間を繰り返す。
ラジオ体操をする男を見ながら、もう少し別の何かがあったのだろうと砂つぶは考える。涙は出ないし、後悔もない。でも、別の何かもあったのだろう。
ニワトリが鳴いた。
夢か。安物の砂時計から砂が流れ落ちる。
ファンタジー
公開:19/03/10 01:23

長井四六九( 日本 )

面白い話を書きたいものです。

でも、上手く書こうとすると全然書けませんね。これがZENなのかなぁ 全然だけに (*´-`)

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