SS守護天使ベリちゃん

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「ああ、ネタが全然浮かばん」
今夜も悶々としていると、背後からパタパタという音が聞こえた。

振り返ると、苺のショートケーキの顔をした生き物がいた。
「あたしベリちゃん、SSの守護天使!」
羽はコウモリだし尻尾あるし、どう見ても悪魔だね。
「お困りのようですね」
「ネタが思いつかなくて」
「ネタなんてね、パクればいいのよ」
「えっ⁉︎」
ベリちゃんは一冊の本を取り出した。
「星深一のバッコちゃん、これをパクればいいのよ」
というと、猛烈な勢いでパクリネタを書き上げた。
「いや、これはまずいっしょ」
「大丈夫、ジョブジョブ♪」
ベリちゃんは投稿ボタンを押そうとしていた。
やむを得ん。
俺は苺の頭に食らいついた。
「あっ!」
パクパク。
「や、食べないで!」
パクパク。
「イヤーーーん」

ふう、美味であった。
と腹をなでていると、背後から「ベリちゃーん、新しい顔よー」という声が聞こえた──。
ファンタジー
公開:19/03/08 12:28
更新:19/03/08 13:10
ベリショ

渋谷獏( 東京 )

(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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