ハロー
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ぼくがここに来てから一年弱。
順風満帆にやってこられたお陰で、ワンルームのこの部屋ではなにかと手狭になってきた。
住み慣れた場所は離れがたくもあって、環境が変わることへの不安はもちろんある。けれど、ぼくを信じて待ってくれている両親の期待には応えたいし、なによりぼく自身、新天地での生活が楽しみでもあった。
これから行く場所は、ここよりももっと広い世界。
目に映るものも耳にするものも、今までとは全く違う、新たな場所。
期待と不安に胸を膨らませるぼくの耳に、出立のメロディがだんだん近づいてくる。
そうしてぼくは勢いよく、足を前へと蹴り出した。
「オギャー!オギャー!」
「お母さん、頑張りましたね。三〇五〇グラムの元気な男の子です」
目を開くと、新しい世界はまっ白かった。
はじめましてお母さん。
これからずっとよろしくね。
まだ姿の見えない温もりへ、ぼくは元気いっぱいに挨拶をした。
順風満帆にやってこられたお陰で、ワンルームのこの部屋ではなにかと手狭になってきた。
住み慣れた場所は離れがたくもあって、環境が変わることへの不安はもちろんある。けれど、ぼくを信じて待ってくれている両親の期待には応えたいし、なによりぼく自身、新天地での生活が楽しみでもあった。
これから行く場所は、ここよりももっと広い世界。
目に映るものも耳にするものも、今までとは全く違う、新たな場所。
期待と不安に胸を膨らませるぼくの耳に、出立のメロディがだんだん近づいてくる。
そうしてぼくは勢いよく、足を前へと蹴り出した。
「オギャー!オギャー!」
「お母さん、頑張りましたね。三〇五〇グラムの元気な男の子です」
目を開くと、新しい世界はまっ白かった。
はじめましてお母さん。
これからずっとよろしくね。
まだ姿の見えない温もりへ、ぼくは元気いっぱいに挨拶をした。
その他
公開:19/03/08 00:07
新生活
高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。
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