橙色の涙

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この身体に通う血という血が沸き立つような感覚に囚われていた。

諸悪の根源であるあなたは呼吸を荒くする私を抱きとめていつになく優しい声色で聴覚を撫でる。

噫、怨めしや。

いっそこの手で殺してしまえれば恐らく私は凡てから解放されるだろうに。

深い紫に色を変え行く終わりの空に橙色の涙が滲んだ。
ファンタジー
公開:19/03/06 08:22

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

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