夕暮れの青色

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空が青い。
今の時間は逢魔が時、夕暮れ時の影が長くなるはずの時間なのに空は青い。
橙色に鳥が浮かぶ空を思い浮べても雲一つ無い。清々しいほどの見通しの良さは違和感しか無く、背筋に嫌な汗が垂れる。
静寂。鳥もいない。
息を呑むたびに時間が進む、知っている空へ変わることを望む。

空に星が浮かび始める。
白い星。
真昼の月のよう。
薄っすらとしていて僕に微かに残る期待を表しているかのようだった。

そのまま暗くなる。
青黒く、このまま雨が降り出すような雰囲気でそれはそれで普通の感じかもしれないが、これから夜が来るのに僕の波長は夕暮れをいつまでも迎えることが出来なかった。

ゆっくりと椅子から降りてリモコンを手に取る。
隣にいる友人は楽しそうな顔をしていた。

「どうだったかな、新しいプラネタリウムは」
「青い空だったけど僕には刺激が強ったかな」
「火星の夕焼けだ、すぐに慣れる。あと少しで着くぞ」
SF
公開:19/03/05 22:50
更新:19/03/05 23:01
青い夕暮れ 火星の夕焼けは青い レイリーさんの乱

空音ココロ( blue in the black )

ショートショートは星新一さん、筒井康隆さんが好き。
空を見上げてぼーっとするのも好き。
抑揚のない平らな脳みそで
蜘蛛の巣を徘徊しながら思い付きで生きています。

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