じゅうじか

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「私は沢山の過ちを犯しました」
膝立をし俺は首から下げている十字架を右手で握りしめ暗い空を見上げた。
「ここで聞いてもらえるなら、マリア様の足元で懺悔させてほしい」
黄色稲妻が左右へ走る。
「ありがとう」
俺は両手で十字架をしっかりと握り直した。
「あんなモノを作ったばっかりに...地球がこんなことになってしまって...私の命だけでは足りないことはわかってます。しかし、私のこの小さな命と引き換えにこの大きな命の宿る地球を救ってほしい...お願いだぁ」
ゴロゴロゴロと低い唸るような音が聞こえた。数秒の静寂が訪れる。天地を裂くような音と共に稲妻が俺の脇を通って行く。
「あなたの命は12時までとします。地球と引き換えにいたしましょう」
優しい女性の声が聞こえた。
「ぁあ、ありがとうございます」手から血が滲むほどに十字架を握りしめた。肩の荷が下りた気がする。
時計を見る。
「10時かぁ」
SF
公開:19/03/05 22:39

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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