暴力教室2199

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その林檎の余りの美味さにほっぺたが落ちた。
悲劇といって良いが、他の者には喜劇に写ったようだ。
ほっぺたを拾おうとする俺を嘲笑うように、素早く拾われたほっぺたが次々とクラスの連中の手に渡り、かえしてくれと手を出す先から、ほかのクラスメイトに投げられる。
哀れなピエロ。
絶望的なこの状況で、ゆり子ちゃんだけは信じていたのに、飛んできたほっぺたを汚い嫌とばかりに払い飛ばされた。
ゆり子、お前。
クラスメイトがドッと笑う。恥辱にまみれて落ちたほっぺたを拾い、静かに右頬に装着する。俺が食べた林檎なんなのかも分からない連中、そしてゆり子。
だが俺はやり遂げた。
知恵の樹の実をガッツリ完食した今の俺に敵はいない。
お前らは遠い昔に祖先が少し齧っただけだもんな。

今日のテストは貰ったよ。
青春
公開:19/03/06 13:49
更新:19/03/06 13:54

長井四六九( 日本 )

面白い話を書きたいものです。

でも、上手く書こうとすると全然書けませんね。これがZENなのかなぁ 全然だけに (*´-`)

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