月夜の前に

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今宵の月はきっと綺麗でしょう、囁くように呟いて去る貴女の華奢な背をぼんやりと見つめ、溜め息を吐く。

他の人間のように私を咎めることのないあなたの優しさに胸がちくりと痛んで、情けなさに唇を噛む。

きっとこれで終いなのだろう。

子ども騙しの逃避行も淡い夢も。

格子窓から白んだ月が見えていた。
ファンタジー
公開:19/03/04 10:04

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

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