195. 僕ははじめからどこにも居なかったんだ。
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学校からの帰り道、虐めの現場に出くわした。4対1で、みな眼光鋭くかなりヤバそうだ。
僕はそのまま通り過ぎようとしたが、3年前弟が受けていた虐めがどうしても胸を掠めるので、意思に反して次の瞬間には声が出ていた。「おいっ、そこで何をしてるんだ!!」
そこからは記憶が殆どない。気がついたときには閻王の前に立っていた。
「お前は最期に人助けをしたね?」
「助けられたんでしょうか?…」
「お前の大声で周りの人が気がつき、その子を助けることが出来た」
僕は生きていた意味にホッとした。
「良い行いをしたお前の願いを一つ叶えよう」
少し考えたあと、こう答えた。
「では家族の記憶から僕を完全に消して下さい」
「ねぇこの部屋丸々空いてるんだけどどうしてかしら?」「何故だろう?」「なんでだろうね?」僕がそこに居た痕跡は全て抹消してもらった。これでいい。
そこにはただ3人の日常が、春空に嬉々と輝いていた──。
僕はそのまま通り過ぎようとしたが、3年前弟が受けていた虐めがどうしても胸を掠めるので、意思に反して次の瞬間には声が出ていた。「おいっ、そこで何をしてるんだ!!」
そこからは記憶が殆どない。気がついたときには閻王の前に立っていた。
「お前は最期に人助けをしたね?」
「助けられたんでしょうか?…」
「お前の大声で周りの人が気がつき、その子を助けることが出来た」
僕は生きていた意味にホッとした。
「良い行いをしたお前の願いを一つ叶えよう」
少し考えたあと、こう答えた。
「では家族の記憶から僕を完全に消して下さい」
「ねぇこの部屋丸々空いてるんだけどどうしてかしら?」「何故だろう?」「なんでだろうね?」僕がそこに居た痕跡は全て抹消してもらった。これでいい。
そこにはただ3人の日常が、春空に嬉々と輝いていた──。
その他
公開:19/03/04 09:00
更新:19/04/05 09:49
更新:19/04/05 09:49
自分がもし生まれて来て
無かったとしたら、自分の
身の回りの物はどこにあった
のだろうということを常に
考えていて思い付いた
お話です
日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。
こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)
2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選
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