しょっぱい食堂
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ある大規模な競技場の建設現場の近くに、その食堂はあった。昼食時になると作業着で埋まる。人気の秘密は料理の味付け。肉体労働の作業員のために濃いめ(というよりしょっぱめ)にしているのだ。さらにご飯お替り自由(何杯でも)というサービス付きなので、いつも常連でごった返している。
ある日、一人が深刻な顔で言った。
「健康診断でひっかかっちゃってさ、塩分を控えめにしないといけないんだ」
「控えめってどの位さ」
「普通よりさらに薄い感じかな」
「よし、わかった。特別に薄めの味付けにするよ」
それを聞いていた作業員が「実は僕も…」と言い出した。
釣られるように周りから「俺も薄味にしてくれない?」「いつもちょっと味が濃いなと思ってたんだ」「俺もね」と声が飛んだ。
なんと、ほとんどの常連が薄味を希望したのだ。
食堂の親父は困惑した。
「なんでウチに通ってたんだ?」
「飯がお替り自由だからさ」
ある日、一人が深刻な顔で言った。
「健康診断でひっかかっちゃってさ、塩分を控えめにしないといけないんだ」
「控えめってどの位さ」
「普通よりさらに薄い感じかな」
「よし、わかった。特別に薄めの味付けにするよ」
それを聞いていた作業員が「実は僕も…」と言い出した。
釣られるように周りから「俺も薄味にしてくれない?」「いつもちょっと味が濃いなと思ってたんだ」「俺もね」と声が飛んだ。
なんと、ほとんどの常連が薄味を希望したのだ。
食堂の親父は困惑した。
「なんでウチに通ってたんだ?」
「飯がお替り自由だからさ」
その他
公開:19/03/02 21:31
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