ただひたすらに青とはいえない

横浜駅西口を出て岡野交差点まで道なりに歩くと「平沼橋」が見える。

帷子川と線路を渡り、街と繁華街をアーチ型の橋だ。
新横浜通りであるため交通量がとても多い。

いつもは五月蝿いトラックたちも今はまだ寝ているのだろう。
あの音も悪くないのになぁ。

私は橋の欄干に両手を掛けた。

あの電車は始発だろうか。
沢山の電気が水面に反射している。


ああ朝を迎える準備をしているのだな。

澄んだ明け方の空気を吸い込んでは吐き出して吸い込んでは吐き出した。

昨日の私を全て押し出すかのように
何度も繰り返した。

あの頃のまま、弱いまま大人になった私はまた明日を見る。

身に付けたのは「ほんの少しだけ強がる癖」

みんな起き出したようだ。

私は一度だけ天を仰ぎ平沼橋を後にする。