あーびっくりだなぁ

貧乏神様がやってくるってんで慌てて逃げだしたんよ。
そしたら何にも持って出なかったもんだから自分から貧乏になっちまったてぇんだよ。
がっくしきてな、橋の上でぼーっとしてたら、与吉のやろうがこっち見て笑っていやがってな。

「やーい、貧乏神にお前んとこに行けやって言ったら本当に行っちまったんだな」

それを聞いてかーっ！となってな。そんでもよ、福の神様が近くにいたのに気付いてな、それで心を落ち着かせてな

「お前は幸せそうだな、福の神様とこで働いたらもっと幸せになれるかもよ」

そう言って善人ぶったんよ。そしたらそりゃあいいって、与吉は働きだしたらしいんよ。
それでな、おいは何故か貧乏神様のとこで働いてんだけどよ。まぁここからがびっくりよ。
貧乏神様にはおいの不幸を献上するんよ。そのおかげでおいは不幸なことがてんでねぇんだ。
ちなみに福の神様には福を献上するらしいんさ。あーびっくりだなぁ