デビュー

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ツムオは進退窮まっていた。
ケツ丸出しのまま。

外を歩いている最中、突然激しい便意に襲われたツムオは、近くのデパートのトイレに慌てて駆け込んだ。
用を足し、ほっとひと息ついたのも束の間。
「あれ」
紙がない。予備の紙も探したが見当たらなかった。
ツムオは、ケツ丸出しで便座に座ったまま頭を抱えた。
こんなことなら、駅前でティッシュもらっておくんだった。配っていたのが男でさえなければ。
――どうする。
そのとき、トイレの入り口のドアが開く音が聞こえた。
しめた、誰か来た! トイレットぺーパーを取ってもらうか、店員を呼んできてもらおう。
「あ……」

「でね、昨日彼氏と別れたのよ。あいつ、浮気してたんだよね」
「うわ、最悪」

ツムオは、はっとして口を塞いだ。
――そんな。
ここは女子トイ、え? それとも混浴的な……わけないよな。

ツムオは進退窮まっていた。

そしてちょっと興奮していた。
その他
公開:19/02/28 20:21

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