お茶漬け流星群(別バージョン)
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「このお茶漬け、ただのお茶漬けとは違うんだよ」
そんな風に話し始めたのは友人Aだった。
その手には、お茶漬けのもとが小分けにされた袋が握られている。袋には、“サケ座流星群”と印刷されている。筆で書かれたみたいな文字だ。
「いったいどこが違うんだ?」
「それは実際に使ってみてのお楽しみ。ほら、やってみろよ」
僕は彼に言われた通り、袋の中身をごはんの上に開けてお湯を注ぐ。かやくがぐるぐると茶碗の中でおどる。
何だか少し不安になってきて、目を瞑って一口すすることにする。
驚いた。瞼の裏で、青白く発光するサケが飛び交うのが見えた。それらは光の粒となって離れたりくっついたりを繰り返す。
しゃあ、しゃあ、しゅうう。
次々と流れていくサケたちはまさに流星群のようだ。
僕はそれをしばらく、食い入るように見つめていた。
興奮冷めやらぬまま、友人の方を見る。
彼はにやりとして、また新しい袋を取り出した。
そんな風に話し始めたのは友人Aだった。
その手には、お茶漬けのもとが小分けにされた袋が握られている。袋には、“サケ座流星群”と印刷されている。筆で書かれたみたいな文字だ。
「いったいどこが違うんだ?」
「それは実際に使ってみてのお楽しみ。ほら、やってみろよ」
僕は彼に言われた通り、袋の中身をごはんの上に開けてお湯を注ぐ。かやくがぐるぐると茶碗の中でおどる。
何だか少し不安になってきて、目を瞑って一口すすることにする。
驚いた。瞼の裏で、青白く発光するサケが飛び交うのが見えた。それらは光の粒となって離れたりくっついたりを繰り返す。
しゃあ、しゃあ、しゅうう。
次々と流れていくサケたちはまさに流星群のようだ。
僕はそれをしばらく、食い入るように見つめていた。
興奮冷めやらぬまま、友人の方を見る。
彼はにやりとして、また新しい袋を取り出した。
ファンタジー
公開:19/02/28 16:00
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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