銀髪同盟

9
11

長年、僕が銀髪なのには理由がある。

高校時代のある日、いつものように登校すると、校門に立っていた生活指導の先生に髪の毛を捕まれた。
「カツラ、だな」
ヤベッ。今までバレた事なかったのに。
「お前、ハゲてるのか? 若いのになぁ」
「いや、ハゲてねーし! これ隠してだけだし!」
「おー、これは立派な銀髪だな。しかし髪を染めるのは校則で禁止だぞ」
「あ、これは、その……小さい頃に感電して……」
「ほぅ。それはお気の毒に。でも根本が黒いぞ? ん?」
「す、すみません。明日までに黒くしてきます」
「いや。まぁ、良いんじゃないか? 実はな……」
なんと、先生も銀髪だった。
「先生、人間じゃないんだよ。宇宙人なんだ。そういうわけだから……」
銀髪をやめたら身が滅ぶ、という銀髪同盟とやらを結ばされた。

だから僕は高校時代からずっと銀髪なのである。
ひとつだけ問題なのは……。

もう頭皮がボロボロ、だ。
SF
公開:19/03/01 23:50

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容