マルオ

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休日出勤の帰り道。電柱を回る迷子のロボット掃除機を見つけた。四月から一人暮らしを始めたが、掃除ができない俺はちょうどいいと思い、拾って帰った。

翌日の深夜。最寄り駅を出ると人込みに紛れてマルオ(そう名付けた)がウロウロしていた。

なんでここに?

調べると、ロボット掃除機は充電が少なくなるとホームに戻る機能があるらしい。こいつにとって、我が家はホームでないということか。とりあえずその日も連れて帰った。

翌日。普段、帰りに通る高架下の道は雨で冠水していた。踵を返そうとしたとき、冠水した道の向こうにマルオを見つけた。マルオは加速して坂を下り、あわや水に沈むかという所で体を勢いよく回転し、冠水した箇所を水切りのように跳び跳ねた。そして、俺の足元にくるとそのまま通り過ぎていった。

週末。久しぶりに部屋の掃除をしているとテレビでは太平洋海上をクルクルと走るロボット掃除機が話題になっていた。
ファンタジー
公開:19/03/01 18:13
更新:19/03/20 08:12
新生活

イチフジ( 地球 )

マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。

100 サクラ

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